新型コロナウイルス感染症の対応給付金10万円の申請期限は2020年9月15日まででしたが、申請して10万円を既に使った方、寄付をした方、申請はあえてしなかった方など様々な方がいたと思います。
新型コロナウイルス感染拡大防止に伴う自粛期間で大学生の購買における価値観が変わったのだとか。
大学生にとって大金である給付金10万円を、彼らはどのように使ったのでしょうか。
大学生を対象に行ったアンケートを元に解説します。
調査方法:インターネット調査
調査対象:全国の大学生49人(18歳〜22歳)
大学生は給付金10万円を使ったのか?
今回、大学生は給付金を活用したのか、また新型コロナウイルスの影響を受け、お金の使い方がどのように変わったのかを知るために、給付金10万円の使い道に関するアンケートを実施しました。
まず、給付金を実際に使ったかどうかのアンケートでは、40.8%の大学生が給付金を使用したことが判明しました。
自粛期間があり、現在も出かけづらい状況であるものの、貯金ではなく消費に使っている大学生が多いのはやや意外でした。
給付金を使った大学生に次いで多かったのは、「親に渡した」32.7%です。
「まだ大学生の立場で、親に生活を支えてもらっているから」という理由で親に渡したという声が多く上がりました。
「自粛期間中、家での生活を快適にするために使いました。」(20歳・女性・K大学)
「大学の費用も親が出してくれており、親の扶養に入ってる内は給付金は親の物だと思い渡した。」(21歳・男性・O大学)
大学生の給付金10万円の使い道
次に、給付金を使った大学生に対し、使い道をアンケートした結果、下記の回答が得られました。
- リモート授業・就活の環境を良くするアイテムの購入
- 在宅環境を良くするアイテムの購入
- 綺麗になるための自己投資
- 近場への旅行
それぞれの回答の具体的なアイテムや大学生の意見を紹介します。
リモート授業・就活の環境を良くするアイテムの購入
2020年前期は大学の授業や、就職活動の選考・インターンもオンラインという大学生が多く、後期の授業もオンラインが決定しているところもあります。
だんだんと日常に戻ってきているとはいえまだまだ自粛は続いており、家にいる時間も今までより多い1年を過ごすことになりそうです。
授業でも就活でもパソコンと向き合わなければならず、対面授業をしていた頃よりも課題が多くなったことから、リモート授業やオンライン就活の環境をよくするアイテムの購入が、給付金の使い道としてメジャーでした。
座り心地の良い椅子
PCと向き合う時間が増え、腰を痛めないよう、座り心地が良い椅子が必要とされています。
「YouTuberが持っていることから買いたくなってしまった」という大学生も多いようです。
人をダメにするソファとして有名なyogiboや、ゲームを本格的にプレイする人が使っていたゲーミングチェアなど、「座る」という行為を快適にするものがZ世代の頭に多く浮かんだようですね。
「長時間座るリモート授業やインターンを快適にしたいためゲーミングチェアを買いました。」(21歳・女性・W大学)
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「YouTuberでyogiboを持っている人をよく見かけるので、座り心地も良さそうだと思って、欲しくなって買いました。」(19歳・女性・K大学)
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リングライト
オンライン授業やオンライン面接時にビデオ通話をする際には、画面への映り方が印象を大きく左右するため、少しでも可愛く映りたいもの。
面接では特に第一印象が重要です。
他にも、気になっている人とオンライン飲み会をする時や発言する機会が多い授業など、映りを気にする場面は多々あります。
少しでも印象を良くするために、リングライトを購入した方が多くいたようです。
リングライトとは、円状にライトが配置された照明機材のこと。
リングライトを使うと目に光のリングができ、顔色もライトのおかげでパッと明るくなり、盛ることができます。
「オンライン上でも可愛く映りたいし、就職活動の面接で印象を良くしたいと思ってリングライトを購入しました。」(22歳・女性・H大学)
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パソコン
将来を見据えて自宅でできることを考えた結果、パソコンを購入したという大学生もいました。
また、オンライン授業でパソコンを使うことが多くなり、スペックが低いパソコンを使っていてうまく授業が受けれないなんてトラブルもあったそうです。
快適に授業を受けるために、自宅学習や新しいことを学ぶために新しいパソコンはモチベーションも上がるため、必須だったのでしょう。
「パソコンを購入しました。家にいる時間が自粛期間によって増え、将来のためにできることを考え、行動しようと思ったからです。そのためにパソコンが1番必要でした。」(18歳・女性・T大学)
在宅環境を良くするアイテムの購入
外出自粛期間で自宅にいる時間が増え、在宅環境を向上させるために、スピーカーやルームフレグランス・アロマグッズ、ルームウェアなどを購入したという大学生が多くいました。
オンライン飲み会で部屋や部屋着が映るため、「家の中でも可愛くみられたい」という思いから、可愛いパジャマや家具を買ったり、家の中でも映えな写真を撮るためにオシャレなライトを買ったりと、Z世代らしい購入動機があったようです。
スピーカー
スピーカーの中でもスマートスピーカーを買った人が多いのだそう。
スマートスピーカーには、音質の良い音楽を楽しむことができるだけでなく、カーテンの開け閉め、テレビやエアコンのオンオフなどの機能がついています。
生活を便利にするために、普通のスピーカーではなく、スマートスピーカーを選んだそうです。
「「Ok,Google」と言えば知りたい情報を教えてくれて便利な上に音質も良いのでGoogleHomeを購入しました。」(20歳・男性・S大学)
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「家にいる時間が長いので、せっかくなら音質の良い音楽を聴きたいと思って購入しました。」(19歳・男性・M大学)
ルームフレグランス・アロマグッズ
家から出ることができないとストレスが溜まるため、アロマの良い香りに癒されたいですよね。
ルームフレグランスやアロマグッズは生活必需品ではないため、これまでは買わなかった人も購入するようになったようです。
外出自粛に伴い家にいる時間が長くなり、五感を刺激するものが人気となりました。
「オシャレな家具といえば…のFrancfrancで購入しました。」(19歳・女性・S大学)
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ルームウェア
ジェラートピケや韓国通販ブランドのアイテムなど、オシャレなルームウェアを買ったとの声が見受けられました。
自粛期間中は、Instagramへのオシャレなルームウェアを着た写真の投稿が多かったようです。
「外に出ることができなくても美意識を保つために、家の中でラクな格好でもおしゃれをしたくて可愛いルームウェアを買いました。」(22歳・女性・K大学)
診断した上での美容品(シャンプー,サプリなど)
外に出る機会が少なくなっている今、モノを選ぶためにかけることができる時間が増えました。
そのため、「口コミでみんなが良いと言っているモノ」ではなく、「自分に合っているモノ」を買うようになった人が増えました。
例えば、インスタグラムの広告からパーソナライズアイテムを買うようになったという声も。
パーソナライズアイテムとは、大量生産されたものではなく、一人一人に最適なカスタムをされたアイテムのことを言います。
例えばシャンプーの場合、シャンプーの場合、髪の毛は太いか細いか、毛質は硬いか柔らかいか悩みは何かなど複数の質問に答えることで「自分だけのシャンプー」を作ることができます。
「口コミを参考にするよりも、自分に合っているサプリを買いたいと思って、診断をしてから購入しました。」(22歳・女性・C大学)
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綺麗になるための自己投資
自粛期間中=他人に会わない期間。
この期間に整形をしたという大学生や、そのほか自分磨きができるアイテムを購入したという大学生も見受けられました。
「お金をかけるなら服やコスメなどではなく、自分の身体を磨いて綺麗なりたい」という思考の変化があったようです。
整形
ダウンタイムで顔が腫れていても人に会う必要がないことから、整形をしたという人も。
二重の整形費用は他の整形に比べ手頃なため気軽にする人も多いです。
「二重整形をしたのですが、5万円以下でした。二重整形は大学生でもやっている人が多いため気軽にできました。」(22歳・女性・K大学)
ヨガマットやトレーニングウェア、サブスクで食品の注文(糖質オフ弁当、スープ)
「コロナ太り」という言葉をよく耳にする一方で、自粛期間中にダイエットを頑張った方も多かったです。
家の中で運動をしたり、サブスクで低糖質のお弁当やスープを購入したり。
芸能人でもEXITのりんたろー。さんやゆりやんレトリィバァさんが痩せたことが話題になりました。
「自粛中にダイエットをしようと思い、ヨガマットとトレーニングウェアを購入しました。」(19歳・女性・N大学)
近場への旅行
GoToトラベルキャンペーンが実施されたこともあり、旅行に給付金を使ったという意見も多かったです。
マスクを付け、アルコールを持ち歩くなど対策を行いつつ、ホテルだけで過ごすなど周囲に配慮しながらの旅行を楽しんでいるのだとか。
これまでは旅行といえば、飛行機や新幹線に乗って、地方や海外など遠くに行くイメージがありましたが、「GoToトラベルが適用されるから」という理由で、近場への旅行を給付金の使い道に選んだ方が多くいました。
その他、「住んでいる都道府県外に出るのは危険と判断した」、「政府が住んでいる都道府県外への外出自粛を求めているから」という理由が挙がっていたことから、新型コロナウイルスを意識して近隣地域への旅行が選ばれたようですね。
「県境を越えられない分、いつもより高級なホテルで過ごしました。」(21歳・女性・R大学)
「観光せずにホテルの中だけで過ごしました。」(18歳・男性・N大学)
「Go Toトラベルが適用されるし、のんびりしたかったから以前よりも高級ホテルに泊まりました。」(22歳・女性・H大学)
例えば、関東県の在住の大学生は熱海、茅ヶ崎、箱根、横浜、都心のホテルなど近場で楽しむ姿をInstagramにアップしていました。
特筆すべきは、以前に比べ高級ホテルに泊まっている大学生が増えた点です。
遠くに行かない分、交通費がかからない上に、GoToキャンペーンで普段よりも安くホテルに泊まれるため、値段の高いホテルが選択肢に入ったようですね。
また、ホテルの内装にこだわっているホテルやお部屋が可愛いホテルを選ぶなど以前とは違い、ホテルを目的とした旅行が増えているようです。
感染対策をとりつつ映えな写真を撮りたいというニーズにマッチしていたのでしょう。
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その他の給付金の使い道
給付金の使い方についての回答「その他」には、「貯金するようになった」という声も。
外出をせず、通信販売も利用しなかった人は、使い道が少ないため、貯金が貯まりそうですね!
また、自粛期間中、教習所が混み合っているという話を耳にしましたが、アンケート結果でも給付金を教習代に使った大学生がいました。
時間があるため通う人が多かったようですね。
また、著名人が寄付していることはニュースで度々目にしましたが、大学生でも寄付をされている方がいたことには驚きです。
「教習所に通うために使いました。」(18歳・男性・K大学)
「寄付しました。」(19歳・女性・M大学)
「キャンプのために必要なモノを買いました。キャンプなら人と距離をとりやすいと思いました。」(20歳・女性・M大学)
新型コロナウイルスで変化したお金の使い方
大学生が給付金10万円をどのように使ったのかを紹介してきましたが、ウイルス感染拡大に伴い、お金の使い方は変化したのでしょうか。
アンケートの結果、71.4%もの大学生が「変化した」と回答しました。
家にいる時間が長かったため、これまでの生活とは必要なものが変わり、このような結果になったのかもしれませんね。
具体的にどのようにお金の使い方の変化があったかを調査したところ、「量よりも質を重視するようになった」という回答が多かったです。
自粛期間中に断捨離が流行したこともわかるように、少なく質の良いものを使おうという考えからかもしれませんね。
「量よりも質が大事ということに気づきました。」(18歳・女性・O大学)
「健康志向の食事にお金を使いました。」(22歳・女性・W大学)
「出かける回数が減ったので、服の量が減り、以前より1着にかけるお金が増えました。」(21歳・女性・N大学)
まとめ
予期せぬ新型ウイルスが流行した上、給付金という臨時収入の10万円が入ったことで以前とお金の使い方の価値観が大きく変化したことが、大学生への調査から読み取れました。
これまでカフェ廻りや旅行、イベントへの参加、外出のための服やコスメの購入など、外へ出掛けるための消費が多かった一方、外出自粛に伴い「外に出る」という行動ができなくなってしまったことは、従来の消費行動を大きく変えるきっかけとなりました。
- メイクをしないからスキンケアに力を入れる
- 家での生活を快適にするために椅子やリラックスできるものを買う
- 家の中でも映えを意識する
など、外への消費から内への消費へと変わっていきました。
まだまだ今までの日常は取り戻せてはいませんが、少しずつ外へ出れる機会が増えてきました。
Z世代は新たな生活様式にも順応し、これからもZ世代らしいトレンドを生み出していくことでしょう。
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